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老後の備え

老後の備え等に対する自助努力(資産形成)への主な支援措置の現状は、ほぼ次の図表のようになっています。
優先すべきものから各個人が自己チェックしてみることが大切なので、以下、ポイントを整理してみます。

<1> 公的年金
年金制度は将来的に不安の声もありますが、次の点から第一に優先するメリットがあることは間違いありません。
① 日本年金機構という公的機関が取り仕切っており、国が破たんしない限り、制度は続きます。
② 民間の個人年金保険は、例えば十年というように期間限定で受け取るのが原則なのに対し、公的年金は終身年金のため、長生きすればするほど長く受給し続けられます(支払総額に対する返戻率がかなり高くなる)。
③ 公的年金は、半分を国が負担している上、支払った金額を全額所得控除できるので、個人年金保険に比べてかなり得になっています。
④ 公的年金加入時に事故に遭い、一定の障害認定を受けた場合には、障害年金が給付され、障害状態と認められている間は、生涯受給し続けることが出来ます。
⑤ 公的年金に加入している間に自分が亡くなった場合で一定の要件に該当すれば、遺族年金が支給されます。
なお、国民年金(基礎年金)の給付額は、四十年支払って満額で七十八万円程度のため、老後資金には不足すると思われますので、別の制度を付加することが重要となってきます。

<2> 企業年金等
会社主導で確定給付企業年金、確定拠出年金(DC)に入っているか、個人で国民年金基金に入っていると、老後の年金が厚くなってきます。なお、平成二十八年の確定拠出年金法改正により、企業年金加入者、公務員等共済加入者、第三号被保険者については、個人型DCへ加入できることとされました(平成二十九年一月一日施行)。そして、全額所得控除できます。

<3> 退職金共済
(1)中小企業退職金共済制度
掛金は全額会社負担ですが、優れた人材の確保や、将来への安心感・より良い雇用の仕組みで従業員の意欲を引き出し、定着率を向上させるために効果的とされています。
(2)小規模企業共済制度
個人事業主や常時使用する従業員の数が二十人以下の会社の役員等が、自分の為に節税しながら退職金の積み立てが出来ます。メリットは次のとおりです。
① 掛金は、全額所得控除で大きな節税ができる。
② 共済金の受け取りは、一括・分割・併用の三タイプから選べ、年金の補完としても使えます。
③ 一括受け取りは、退職所得扱いになり、税制上優遇されています。
④ 災害時や緊急時には、低利な事業資金の借入も可能です。
(1)、(2)とも全額損金算入や所得控除ができ、税制上優遇されています。

<4> 投資・貯蓄促進
<1>~<3>を優先して、さらに老後の資金の上積みを図るには、自己負担ですが、次のようなものがあります。
(1)財形住宅・年金貯蓄
「財形住宅貯蓄」と「財形年金貯蓄」を合わせて貯蓄残高五五〇万円までは、利子等に税金が掛からずに貯蓄が出来ます。
(2)障害者等マル優(非課税貯蓄)
預貯金や国債・地方債などの利子は、原則としてその支払いの際に、二0.三一五%(所得税及び復興特別所得税 一五.三一五%、地方税 五%)の税率を乗じて算出した所得税等が源泉徴収されますが、次の障碍者等は非課税とされています。
国内に住所のある個人で、
① 身体障害者手帳の交付を受けている者や障害年金を受けている者
② 遺族年金や寡婦年金を受けているなど一定の要件を満たす者
(3)個人年金
個人年金は、私的年金の一つで、公的年金の不足を補うために個人が任意で加入します。貯蓄型と保険型に大別され、貯蓄型は預け入れた元本と利息を原資として、十年、十五年などの一定期間、年金として支払いを受けるもので、元本を据え置くタイプと取り崩すタイプがあり、主として銀行、信託銀行、証券会社などで取り扱っています。
保険型は、主として生命保険会社、損害保険会社、ゆうちょ銀行、JA、全労済などが取扱い、定額年金保険と変動年金保険に大別されます。
年金の受取方法によって、終身年金・保証期間付終身年金・夫婦年金・確定年金・有期年金・保証期間付有期年金などに分類されます。

(4)NISA・つみたてNISA
従来は、金融商品取引業者等に設けた NISA(少額投資非課税制度)口座で、年間の投資上限額(一二〇万円)まで、最長で五年間、投資総額六〇〇万円の上場有価証券や投資信託等の譲渡益や配当等が非課税となる制度です。
平成三十年から積立型の投資には利用しにくかった点を改正した「つみたて NISA」が創設されます。
年間投資上限額は四〇万円ですが、非課税期間は最長二〇年であることから、最大投資額は八〇〇万円となり、長期・分散型投資のメリットが受けられます。
なお、従来型の NISAとの選択適用となります。

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