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会社における自然災害と税

毎年八月を過ぎると台風も多くなり、自然災害に対する備えが必要となる時期に入ります。
そこで今回は、会社が自然災害発生により被害を受けた場合等の税制上の取扱いを確認します。
なお、自然災害 (以下「災害等」)とは、暴風・豪雨・豪雪・洪水・高潮・地震・津波・噴火その他の異常な自然現象で生じる被害をいい、新型コロナウイルス感染症も含まれます。

<1> 災害等による期限の延長
会社が災害等により、国税に関する法律に基づく申告・申請その他書類の提出又は納付等の期限までに、これらの行為をすることが出来ないと認められる場合には、災害等がやんだ日から二か月以内に限り、申告期限などが延長されます。

<2> 災害等による納税の猶予
会社が災害等により、次のような状況に陥ったときには、法人税などについて納税の猶予を受けることが出来ます。
(1)損失を受けた場合の猶予
この納税の猶予を受けられる会社は、災害等により全積極財産の概ね二〇%以上の損失を受けた場合で、納税の猶予が受けられる国税は、その損失を受けた日以後一年以内に納付すべきものになります。
(2)納付が困難な場合の猶予
災害等により、国税を一時に納付することが出来ないと認められる場合には、税務署長に申請をすることにより、納税の猶予を受けることが出来ます。

<3> 新型コロナによる特例猶予
新型コロナウイルス感染症の影響で納税が困難になった会社などに対し、令和二年二月一日から三年二月一日までに納期限が到来する国税について、原則として一年間納税が猶予される特例がありました。
ただし、適用期間は既に経過しているため、令和三年二月二日以後の納期限到来分からは、感染症の影響により納税が困難になった会社等は、前記<2>(1)・(2)に該当することにより、それぞれの納税猶予が受けられます。

<4> 被災した会社に対する法人税の取扱い
(1)滅失・損壊した資産等
会社が所有する商品や原材料等の棚卸資産・店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害等により滅失又は損壊した場合の損失、損壊した資産の取壊し又は除去のための費用及び土砂その他の障害物の除去のための費用は損金の額に算入されます。
(2)資産の評価損
会社が所有する棚卸資産・固定資産又は一定の繰延資産が災害等により著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額について、損金経理をすることにより、評価損を計上して損金の額に算入することが出来ます。
(3)復旧のための支出する費用
会社が災害等により被害を受けた固定資産(被害を受けたことにより評価損を計上したものを除き、以下「被災資産」といいます)について、支出する原状を回復するための費用は、修繕費となります。
また、被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事・排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用については、修繕費で経理をしているときは、この処理が認められます。
(4)災害損失特別勘定の設定等
会社が、災害等のあった日の属する事業年度において、災害等により被害を受けた棚卸資産・固定資産等の修繕のために、災害のあった日から一年以内に支出する費用の適正な見積額として繰入限度額以下の金額を、損金経理により災害損失特別勘定に繰り入れたときは、その金額がその事業年度の損金の額に算入されます。
ただし、災害等のあった日から一年を経過する日の属する事業年度において、災害損失特別勘定の残額がある場合には、その残額を取り崩して益金の額に算入する必要があります。
(5)災害等による損失金の繰越及び繰戻し還付
会社が所有する棚卸資産・固定資産等について災害等により生じた損失に係る災害損失欠損金額がある場合には、その損失の発生した事業年度が青色申告書を提出できない事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その事業年度から一〇年間にわたって繰り越して控除されます。
また、会社が、災害等のあった日から同日以後一年を経過する日までの間に終了する各事業年度において生じた災害損失欠損金額がある場合には、その災害損失決算金額に対応する法人税額について、繰り戻して還付を請求することが出来ます。

<5> 被災した従業員・取引先等への支援に対する法人税の取扱い
(1)仮設住宅の設置費用
会社が、被災した従業員等の仮設住宅の設置等に伴う資材・組み立て等のために支出した金額は、その事業年度の損金の額に算入されます。
(2)従業員等への災害見舞金
会社が、被害を受けた従業員等やその親族等に対し一定の基準に従って支給する災害見舞金に要した費用は、福利厚生費として損金の額に算入されます。
(3)取引先に対する災害見舞金
会社が、被災前の取引関係の維持・回復を目的に、取引先に対して支出した災害見舞金等に要した費用は、交際費等に該当せず損金の額に算入されます。
(4)被災者への自社製品等の提供
会社が、不特定多数の被災者を支援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として、損金の額に算入されます。
<6> 被災した会社に対する消費税の取扱い
(1)課税事業者選択届出書等の提出が遅れた場合
会社が災害等により、その課税期間開始前に「消費税課税事業者選択届出書」、「消費税課税事業者選択不適用届出書」、「消費税簡易課税制度選択届出書」又は「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できなかった場合には、所轄税務署長の承諾を受けることで、その課税期間前にこれらの届出書を提出したものとみなされます。
(2)簡易課税制度の適用を受ける必要が生じた場合等
会社が、被害を受けたことによって災害等の生じた日の属する課税期間等について、簡易課税制度の適用を受けることが必要となった場合、若しくは受ける必要がなくなった場合には、所轄税務署長の承認を受けることで、災害等の生じた日の属する課税期間等から簡易課税制度の適用を受けること、若しくは適用をやめることができます。

<7> 中小企業防災・減災投資促進税制の見直し
会社の災害等に対する事前対策強化に向けた設備投資を支援する中小企業防災・減災投資促進税制について、令和三年度税制改正で見直しが行われ、適用期限が令和五年三月末までに延長されました。
同税制は、中小企業等経営強化法に基づき、認定を受けた事業継続力強化計画等に記載された対象資産を事業の用に供した場合には、特別償却を受けることが出来ます。
改正では、対象資産に新型コロナウイルス感染症対策のために取得等をするサーモグラフィ、無停電電源装置などが追加された一方、火災報知機やスプリンクラー、消火設備、防水シャッターなどが対象外となりました。

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