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賃金引上げ等のための中小企業・小規模事業者への支援事業

近年、中小企業を取り巻く環境は大きく変化しています。最低賃金の引上げや人手不足への対応、生産性の向上など、経営者が取組むべき課題は年々複雑化しています。

こうした背景を受け、国や都道府県では、中小企業の経営基盤を強化し、持続的な成長を後押しするためのさまざまな支援策を用意しています。

厚生労働省においては、「賃上げ」支援助成金パッケージとして、最低賃金引上げに関連した助成金のほか、生産性向上(設備・人への投資等)、正規・非正規の格差是正、より高い処遇への労働移動等を通じ、労働市場全体の賃上げを支援するための支援策のとりまとめが行われました。本記事では、それらの中から一部を取り上げ、概要や活用のポイントを解説します。

後半では、各都道府県において行われている賃金引上げ支援事業をご紹介します。

 

= 「賃上げ」支援助成金パッケージ =

「賃上げ」支援助成金パッケージは、下図の助成金をとりまとめたものです。

助成金制度は要件や支給額の拡充・変更、廃止が行われることがありますので、最新の情報を入手の上でご活用ください。

1 生産性向上(設備・人への投資等)への助成金

(1) 業務改善助成金

➀ 概要

最低賃金は毎年のように引き上げられており、中小企業にとっては大きな負担となっています。その一方で、従業員の生活安定や人材定着の観点からも、賃金水準の引上げは避けて通れない課題です。この両立を図るために活用できるのが「業務改善助成金」です。

令和7年9月には、「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の一環としての最低賃金の引上げに関する支援の拡充が行われ、業務改善助成金については対象事業者の拡大、賃金引上げ計画の事前提出を省略可能とするなどの措置が採られています。

➁ 制度の目的

業務改善助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業事業者に対して、生産性向上のための設備投資や人材育成に要する費用を助成する制度です。単なる賃上げ支援ではなく、「生産性向上」と「賃金引上げ」をセットで進める点が特徴です。

➂ 助成内容

助成率や上限額は、引き上げる賃金額や対象労働者数に応じて変動します。

たとえば、事業場内最低賃金を30円以上引き上げる場合、対象経費の4/5(事業場内最低賃金額が1000円以上の場合は3/4)、助成上限額は30~130万円が助成されるなど、条件によって高い助成率や助成上限額が適用されます。

④ 申請の流れとポイント

申請の際は、事前に賃金引上げ計画の策定と労働局への届出を要します(令和7年度は、計画の事前提出を省略可能とする特例が設けられています)。

令和7年度申請分は、機器等の納品・支払完了・賃金引上げを令和8年1月末日(事業完了期限)までに終えることとされているため、これから活用をお考えの場合は、令和8年度申請に向けて制度に関する情報を収集し、概要把握や設備投資・人材育成など生産性向上に資する取組の検討を行っていくとよいでしょう。

⑤ 活用事例

小売業の事例では、POSレジと在庫管理システムを導入することで業務の効率化を実現し、その成果を賃金に反映させた例、製造業では、生産ラインに省力化機器を導入して残業時間を削減し、賃上げと働きやすさの両立を実現した例があります。

(2) 人材確保等支援助成金

➀ 制度のポイント

人材確保のために雇用管理改善につながる制度等(賃金規定制度、諸手当等制度、人事評価制度、職場活性化制度、健康づくり制度)の導入や雇用環境の整備(従業員の作業負担を軽減する機器等の導入)により、離職率低下を実現した事業主に対して助成されます。

➁ 利用できる企業

中小企業、大企業どちらも利用可能ですが、賃金規定制度の導入による助成は中小企業のみが利用できます。

➂ 活用例

複数の雇用管理制度や作業負担を軽減する機器等を導入し、賃上げ(5%以上)を行った場合、最大287.5万円が支給されます。

2 非正規雇用労働者の処遇改善(キャリアアップ助成金)

➀ 制度のポイント

非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、その規定を適用させた場合に助成されます。

助成額は、賃上げを行った非正規雇用労働者1人あたり最大7万円(大企業の場合は1人あたり最大4.6万円)です。

➁ 活用例

中小企業が賃金規定等を5%増額改定し、10人の有期雇用労働者の賃金引上げを実施した場合、65万円が支給されます。

 

 

= 都道府県の賃金引上げ支援事業 =

国の制度に加えて、各都道府県でも独自の賃金引上げ支援施策が展開されています。厚生労働省のホームページ(「最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業」のキーワードで検索)では、全国の取り組みを一覧できる資料が公開されています。

(1) 取り組み例

➀ 専門家派遣

経営改善や人材育成に関するアドバイザーを無料または低コストで派遣し、企業ごとに最適な改善策を提案する取り組みがあります。特に中小企業では、外部の知見を得ることが大きな推進力になります。

➁ 設備投資やIT導入の助成

国の助成金に上乗せする形で、県独自の補助金を用意しているケースも見受けられます。たとえば業務効率化に資する機器導入や、クラウドシステムの導入支援などが対象です。

➂ 研修・セミナーの開催

労務管理や賃金制度設計に関するセミナーを開催し、企業の担当者が知識を深められるようにしている自治体もあります。

④ モデル企業の紹介

地域内で賃上げに成功している企業の事例を広く紹介し、他の企業の参考になるようにする施策も取り入れられています。

(2)活用のポイント

各都道府県の支援策は、その地域の産業構造や中小企業の実情に合わせて設計されています。国の助成金と併用できるケースもあり、組み合わせることでより大きな効果が期待できます。

中小企業の経営者や人事労務担当者にとっては、国の制度を知るだけでなく、「地域ならではの支援策」も確認し、最大限に活用していくとよいでしょう。

 

 

 

 

 

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